一般的に知られている「しめじ」は「ぶなしめじ」という種類のキノコで、「しめじ」と「ぶなしめじ」は全く違うものです。栽培物の「ぶなしめじ」は、生産者さんのおかげで一年中購入することができます。人々にとっては美味しくて栽培しやすく、可愛らしくてどんな料理にも合う都合の良い万能キノコです。
山の中ではキノコが秋を「待ってました
とばかりに、大賑わいです。中でも「しめじ」と名の付くものは沢山の種類があります。
「○○しめじ」と名前を聞くと、食いしん坊の私は「さぞかし美味しいに違いない。」と想像してしまいます。キノコを食べるだけの目的としない考えもあり、見た目からのイメージで名前がついているものもあります。
スポンサーリンク
「○○しめじ」っていったいどれだけあるの?
私の知識の範囲内でいくつか紹介しますね。
うらべにほていしめじ・・・傘の裏が紅色の大型キノコです。
本しめじ(大黒しめじ)・・・「正真正銘本当のしめじ」ということです。
畑しめじ、・・・・地中にある木材から発生します。公園などでも見かけます。
霜降りめじ・・・・霜の降りる頃の晩秋に発生します。
かきしめじ・・・茶色のいかにも「キノコです。」といった毒キノコ。
ブナしめじ・・・ブナの木を栄養にして成長するキノコ。栽培されています。
みねしめじ・・・山の峰にでるのでしょうか?色は黄色です。
くましめじ・・・真っ黒というわけではありませんが、熊さんをイメージするのでしょうか?
仁王しめじ・・・仁王様の仁王立ち?とっても大きくなります。
桜しめじ、紫しめじ、藍しめじ、黄しめじ、おしろいしめじ、墨染しめじ、白しめじ・・・見た目の色から名付けられていると思われます。
このほかにも沢山あると思いますが、キノコは方言が多いので場所によっては同じものを違う呼び方をすることもあります。
「なぜこんな呼び方するの?」と思った瞬間に私の妄想が始まるのです。
すました顔して毒の「かきしめじ」だけには騙されないようにしなくてはいけません。
ちなみに「タマゴタケ」という真っ赤な美味しい夏のキノコもあります。
特に美味しいキノコには愛着がわいてきて「また食べたいなあ」と思ってしまうのです。
「ハエ取りしめじ」昔はヒーローだったのに! どうして?
ハエに対して殺虫剤効果があり、実際に殺虫剤として使用していたそうです。
2004年度版山と渓谷社の図鑑では、「個人差があるが悪酔いしたような症状がでることがあるがこっくりとしたうま味
との表現もあり、決して毒キノコに分類はしていません。
2011年度版主婦の友社の図鑑では「毒キノコ
となっています。中毒事故が報告されたのでしょう。もう毒のレッテルが貼られてしまったので、皆さんは決して食べないでくださいね。
私はハエよりもしぶとい生き物の代表として、食べた感想をお伝えします。これが「こっくりとした」うま味なんだ! と思いました。お伝えするのが大変難しいのですが、少量を醬油と酒を控えめに薄味にした汁の味は、はっきりと口の中に感じることができました。
「ほていしめじ」布袋さんて酒癖わるいの?
2004年度版山と渓谷社の図鑑では、「ほのかに甘い香、しこしことした歯ごたえ、料理に旨味が出る、酒は厳禁」とありますが毒キノコには分類されていません。ところが2011年度版主婦の友社の図鑑では「毒キノコ」になっています。「お酒と一緒に食すると悪酔いする」ことが昔から言われていたようです。
私の個人的な想像ですが、2004年以降に酒癖の悪い人が酒の肴にしていて何か問題でもおこしたのでしょうか? 元々怪しいまれていたのが、決定的になったのかも? 昔はみんなが食べたがらないように悪酔いするといわれていたのだと思います。
「料理に旨味が出る」には私も反応してしまうのですが、きのこ狩りをしている人に聞いても美味しいと聞いたことがないので食べたことはありません。もしかしたら、アルコールとの食べ合わせは絶品なのかも! 朝顔が上をむいたような形で可愛げはあるのですが、なかなかのミステリーなキノコです。
「さくらしめじ」ってその美しい名前に、ついつい・・・
「さくらしめじ」は色も形も目を楽しませてくれます。だけど・・・個人差はあると思うのですが、あまり美味しいとは言えません。加熱すると色もはげてしまいチョッとがっかりなキノコなのです。
ところが貴重な体験をしたので報告をします。秋田県の飲食店で頂いたさくらしめじは美味しかったです。歯ごたえは間違いなくさくらしめじだったので、調理方法を聞いたところゆでこぼしてだし汁につけるのだそうです。
意外でしたね、キノコが美味しい味をもっているものということしか頭になかったので、昆布と鰹のだし汁につけ置きするなんてと思いましたが、本当に美味しくいただけました。
「さくらちゃんがいい人に巡り合えて、美味しくしてもらってよかったな」と思いました。
その土地とちで美味しい食べ方があるのですね。私も真似して教えてもらったとおりしているはずなのに上手にできていません。やっぱりプロのようにはできないのかな?
「うらべにほていしめじ」群馬県でモテモテ布袋さん
群馬県では好まれているようですが、ちょっと苦味があります。私個人は食としてはあまり好みではありませんが、その姿形が堂々として立派なんです。
好きな人はあの苦味がいいのかな? とても大きくなるキノコで、傘をしっかり広げ親指で押したような印があるのが特徴です。傘の裏がうすピンクで上記のほていしめじよりもがっしりとした大型のキノコです。
県民性というのがキノコにもあるようで、栃木県ではチタケ 長野県ではハナイグチ と聞いたことがあります。うらべにほていしめじは群馬県でよく好まれると聞いたことがあります。
「しゃかしめじ」お釈迦様のヘアースタイルはインパクト大!
お釈迦様のヘアースタイルを螺髪(らほつ)と言うそうですが、小さいポツポツがたくさんのキノコの頭がかたまって発生します。
私が見た感想は、小人が押しくらまんじゅうをしているような感じです。赤ちゃんキノコが集まっているのですが、味は大人顔負けでとっても美味しいです。
見つけた時は、思わず「やった! み~つけた」と小人たちとの出会いに感動してしまいます。
調理する時は、裂いてしまうので少し悪いようなうしろめたさを感じてしまいます。
世界に誇れる日本の技術! 栽培しめじ達の怪しい関係!?
キノコと言えば、「マツタケ」「椎茸」「しめじ」がすぐにあげられるように「○○しめじ」と名前がつけば親しみやすく流通しやすいのでしよう。図鑑で分類されているのとは別に商品名が付けられ、しかも時代と共に変化していますのでまとめてみます。
図鑑での名前 商品名 企業名
ぶなしめじ 本しめじ→ぶなしめじ 呼び名が変化
ひらたけ 味しめじ→しめじ→ひらたけ 呼び名が変化
畑しめじ 丹波しめじ タカラバイオ
本しめじ 大黒本しめじ タカラバイオ
本しめじ 本しめじ ヤマサ醤油 現在販売停止
日の当たらない場所に原木を沢山立てかけて並べている椎茸栽培農家を見学したことはありませんか? 「ひらたけ」はすでに江戸時代に原木に傷を付けて米のとぎ汁をかけて栽培していたという話です。
2000年に入り本しめじの栽培が成功したことは画期的なことで、「マツタケ同様に栽培困難と言われた『幻のきのこ』ホンシメジの栽培に成功し、商品として出荷をはじめた。これは千葉県が誇る世界的な技術である」と千葉中央博物館の吹春先生の講義がありました。
美味しいキノコの食べ時は? キノコってカビ?
キノコは菌類で、菌糸のかたまりを食べることができます。カビは同じく菌糸を持ちますが、人が食べられるような胞子を飛ばすためのかたまりは作りません。
キノコを美味しくいただく期間は発生してから朽ちるまでの一番形や大きさが良い時と言えます。3~4日はほとんどのキノコが美味しく食べられますが、スーパーで購入してからはできるだけ早く消費しましょう。
長期保存する場合は干したり、加熱してから冷凍することをおススメします。
天然キノコのなかには「やぐらたけ」と言うキノコの上にキノコが付くものがあります。
つまりキノコにカビが生えたような状態を形として目でみることができます。
「松茸でお腹をこわした」という話がありますが、もったいなくてグズグズしているうちに鮮度が落ちたものを捨てることができずに食べたのでしよう。生鮮食料品ですので、お気を付けください。
こんな視点でキノコ狩りをしていますが、全くの私個人の感想です。
図鑑を見ながら想像して、実際に山の中で本物のキノコに出会うと感動してしまいます。
布袋さんとお釈迦様がドンと座っている横でさくらちゃんが踊って、裏べに布袋さんがスカートをチラッとさせている。なぜかハエ取器がいっしょにある絵を想像してしまうのです。シメジの仲間だけでこんな感じなので、キノコ達が集合した山の中はとってもにぎやかなのです。
「香り松茸 味しめじ」とは、ぶなしめじのことではありません。
「しめじ」=「美味しい」の代名詞だったはずですが、他のキノコ達があこがれて
○○しめじと名乗ったのではないでしょうか? キノコの種類は数えきれないほどあり、キノコの世界から地球の大きさや自然を感じることができますね。