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子育てに疲れ、何かよい「息抜き法」はないかとネットで検索されている方が多いことに驚きます。息抜きの仕方というのは、人それぞれ違うものであるのにも関わらずです。

これは、どうすれば息抜きができるのかさえもわからなくなってしまうほど、子育てによるストレスが深刻化していると言えるのではないでしょうか。

実際に、オウチーノ総研(株式会社オウチーノ/本社:東京都港区/代表:井端純一)が2015年に行った「『子育て』に関するアンケート調査」では、84.0%の女性が「育児ストレスがある」と回答しています。

私には育ち盛りの3人の子どもがいます。末っ子が自分のことを自分でできるようになったくらいから随分と手がかからなくなりましたが、それでも子どもの成長に応じた悩みはつきず、ストレスから解放されることはありません。

ただ、私は子育てのストレスを和らげる独自の息抜き法を見つけることができたので、今では以前ほど息の詰まるようなイライラ感はありません。世の中にはありとあらゆるたくさんの息抜き法があります。それでもなおご自身に合う方法を見つけることができないでいるとしたら、何かが間違っていると思いませんか?

そうです。私は自分の息抜きの仕方の「間違い」に気付きました。私の子育ての息抜き法、よかったら参考にしてください。

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本当の「息抜き」とは?

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「息抜き」とは何か、考えてみたことはありますか?

息抜きとは、息を抜くこと、つまり、息を吐き出すことなのです!

私がこれに気付いたのは、子どもの漢字学習を手伝っていて、「息抜き」という言葉の語源を調べたのがきっかけでした。

人はストレスによって呼吸が浅くなることがあるそうです。呼吸が浅いと、体内に取り込む酸素の量が少なくなるため酸素不足になります。そうすると、集中力が低下したり疲労を感じたりするばかりでなく、自律神経が乱れやすくなることで、不安になったりイライラしたりする原因となるそうです。ですから、深い呼吸をすることで、この状態を改善する必要があるのです。

「息抜き」とは、読んで字のごとく息を抜くこと。息を大きく吐き出して、新しい空気を大量に吸い込むこと。これが正しい「息抜き」の仕方なのです。

吐いて吸うのが深呼吸!

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私は、深呼吸というのは「吸って吐く」ものだと思っていました。でも、吐いて吸う方がより効率よく多くの空気を取り入れることができるんですね。

注射器や水風船を作る時に使うポンプをイメージするとわかりやすいかもしれません。ポンプを半分押し下げた状態から上に引き上げても、水は思うように吸い上がりません。一度、ポンプの中の空気が完全になくなるまで押し下げてから引き上げると、水は吸い込まれるようにポンプの中へ上がってきます。

これと同じ原理で、もうこれ以上吐けない、というところまで息を吐き出すと、自然な流れでたくさんの空気が肺に入り込みます。深呼吸は吐いて吸う。まずは息を抜くことが大切なのです。

想像力を生かした「息抜き法」!

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では、吐いて吸うだけで息抜きになっているかと言えば、理屈上、息は抜けていますが、気持ちの転換にはまだ行きついていません。ですが、まず息を抜いてからでなければ、たとえ気晴らしとして何かやってみても、思うような気分転換が図れないことが多いのです。

パソコンのハードディスクの容量がいっぱいになってしまうと、作業動作が遅く不安定になりますよね。これを解消するには、ディスクのクリーンアップを行います。クリーンアップというのは、ディスク内の不要なデータを削除し、空き容量を作ることです。

私は息抜きをする時は、このクリーンアップのイメージを頭の中に描きます。ストレスで飽和した頭を、大きく息を吐き出すことで、余計な情報や感情を吐き出し、外から新しい空気を取り入れ、まっさらな空きスペースを作る、というように。このまっさらな空間に、好きなことを行うことによって生まれる明るく前向きな感情が宿ることで、脳全体のポジティブ感の割合がアップします。これがストレスを緩和させることにつながるのです。

さらにイメージしてみてください。もし、息抜きをしないまま、気分転換を図ろうとすると、新しく生み出そうとするポジティブな感情を収容するスペースはなく、根付いているネガティブな感情の上に無理やり刷り込むことになります。そうすると、ネガティブな感情が下に残ったままなので、気分も複雑でどこかすっきりしない感が残ります。

これは私のイマジネーションに過ぎませんが、こう考えることで私は上手に息抜きができるようになったのです。

息を抜けば何をやっても気分転換!

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何をすれば息抜きになるのかと悩まれていらっしゃる方、もう悩む必要はありません。大きく深呼吸することで頭に空き容量を作れば、好きなことなら何をやっても気分転換になります。

ストレス緩和に気分転換が効果的なのは、ストレスによって視野が狭くなったり、行き詰まっている思考をいったん休止させ、改めて仕切り直して別の角度から見ることができたりするからです。また、気分転換により、子育てとは無縁のことから切り抜けるヒントを得たり、新たな刺激を取り込むこともできたりします。

チョコやケーキなどの甘いものを食べる、DVDを観る、本を読む、寝る、友達と喋るなどなど、あなたをハッピーにさせてくれる方法をあなたがいちばんよく知っているはず。子育てで行き詰まった時は、まず息を抜いて、それから思う存分気分転換を行ってください。

「息抜き」でストレスの慢性化をストップ!

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息を抜き、気分転換を図ったらそれで終わり、ではありません。この次のステップを踏むことにより、ストレスの再発や慢性化を防ぐことができます。

「息抜き」はストレスを緩和させることであり、完全に除去することではありません。息抜きをすることで心が落ち着いたら、ストレスの要因を探り、可能な限り取り除きましょう。状況を改善しないと、再び同じストレスに悩まされることになります。

日々の子育てで生じるストレスは、いろんな小さな要因が複合的に混ざり合って大きなストレスの塊となっていると考えられます。特に子ども相手なので、話し合えば解決できるというものでもありません。感情的に子どもの行動を変えようとするのではなく、物理的要因を探り環境を変えることで、状況が改善できることも多くあります。

息抜きで精神的にゆとりが生まれた瞬間を逃さず、一つひとつのイライラ要因を紐解いていき、一つでも多く確実に除去していきましょう。

例)
子どもが夜寝ないことでイライラする
→寝ないのではなく寝れないのでは?→生活リズムを改善する
子どもが指示に従ってくれない
 →従わないのではなく従えないのでは?→子どもが拒む理由を考える
何度言っても部屋を片付けない
 →片付けないのではなく片付けられないのでは?→収納の仕方を変える

不要なストレスを根っこから断ち切る

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私はまた、子育てのストレスには不要なものがあることにも気付きました。それらの多くは「子育て」に対する固定観念が引き起こしたものであったり、相手は大人とは違う「子ども」である、ということをつい忘れたために生じたものなどです。

こういった不要なストレスの原因は、大樹の根のように広く深くはびこり、純粋な子育ての邪魔をします。息抜きによって安定した精神状態の時こそ、この根を取り除く絶好の機会となるので、そういう意味でも「息抜き」は子育てにとても重要だと言えます。

以下の5つが、私が完全に根っこから取り除いた不要なストレスの原因です。

①「子育ては楽しい
という理想概念
子育ては大変なもの。大変なことを責任を持って行うから得られる達成感や充足感が、結果的に幸福感や楽しさをもたらしてくれることを理解する。

②育児本や周りとの比較
人はみんな違うから比べることは不可能。周りと比べるのではなく、昨日と今日の成長を比べる。

③思い悩むこと
行き詰まった時に考えてもいいアイデアは浮かばない。悩んだら息抜きをする。

④考えがぶれること
親としての考えや方針、親子間のルールなど、熟考したうえできちんと子どもに伝え、決してぶれないようにする。親がぶれると、子どもは迷い、ルールを守ることの重要性も低下する。これによって生じる親子間の摩擦がストレスになる。

⑤説明不足
経験の少ない子どもは、大人と同じように理解することは難しい。子どもにも分かるように十分すぎるほど丁寧に説明することで、子どもの理解不足による間違った言動や誤解が生じるのを防ぐ。

まとめ

私が実践している子育ての息抜き法は
1.息を吐き出して、新鮮な空気を取り込む
2.精神的にゆとりを作ってから、気分転換を図る
3.落ち着いたらストレスの要因を探りそれを物理的に除去する方法を考える
4.不要なストレスの原因は根こそぎ除去する

ストレスを生み出しているのは、実は何を隠そう自分自身です。子育てで出会う苦難は、心の持ちようで「ストレス
になったり、「学び
になったり。他人の気持ちや言動を変えることは難しいですが、自分の心の持ちようは、視点を変えるなどの意図的な取り組みで変えることができるものです。

もし、自分の心を動かすことが難しいと感じたなら、そこにはきっと物理的な要因があるはず。感情的にならず、その原因を突き止め、環境を変えることで状況の変化を待ちましょう。

大切なのは、必ず「息抜き」をすること。息を抜かない「息抜き」では、長期的なストレスの緩和にはつながりません。息を抜いて、気分を落ち着かせる。そしてストレスの要因を探って除去する。この繰り返しが、いつか「ストレス」という言葉さえ取り除いてくれることになるかもしれませんよ。