鶏肉の臭み、洗うのはNG？プロが教える正しい下処理完全ガイド

スーパーで買ってきた鶏肉、「とりあえず水で洗っておこう」なんて思っていませんか？実はその習慣、食中毒のリスクを高めているかもしれないんです！

鶏肉の臭みは、料理の美味しさを半減させてしまう厄介な存在。でも、正しい知識さえあれば、誰でも簡単に対処できます。この記事を読めば、あなたが知りたかったこんなことが全てわかります！

鶏肉を洗ってはいけない本当の理由
洗うより10倍効果的な臭み取りテクニック
お酒がない時の代用品や冷凍肉の扱い方
調理後に残った臭いを消す裏ワザ

さあ、今日から使えるプロの技で、あなたのお家の鶏肉料理を劇的に美味しく変身させましょう！

1 鶏肉の臭み対策で水で「洗う」のは危険？知っておくべき衛生知識
2 【洗うより効果的】鶏肉の臭みを取るプロの技と原因別アプローチ

鶏肉の臭み対策で水で「洗う」のは危険？知っておくべき衛生知識

まずは、多くの方が疑問に思っている「鶏肉を洗う是非」について。私も料理を始めたばかりの頃は、良かれと思ってジャブジャブ洗っていました。でも、その行為がもたらすリスクを知った時は、本当にゾッとしたのを覚えています。

ここでは、なぜ洗うべきではないのか、その理由と正しい対処法をしっかりお伝えしますね。

【結論】鶏肉は基本的に洗わない！カンピロバクター食中毒のリスク

「鶏肉って、パックから出したらまず洗うもの」だと思っていませんか？実はそれ、大きな間違いなんです！このパートを読めば、なぜ鶏肉を洗ってはいけないのか、その明確な理由がわかります。

鶏肉の表面には、食中毒の原因となる「カンピロバクター菌」が付着している可能性があります。この菌、シンクで鶏肉を洗うと、水しぶきと一緒に広範囲に飛び散ってしまうんです。その距離は、なんと最大2mにも及ぶと言われています。

飛び散った菌が、近くに置いてあったサラダ用の野菜や、まな板、包丁に付着したら…考えるだけでも怖いですよね。これが「交差汚染」です。

実はこれ、私個人の意見だけではなく、世界の食の安全を守る公的機関も強く警告していることなんです。

アメリカの食の安全を担うUSDA（米国農務省）では、「肉や鶏肉を洗うことは、食中毒菌をキッチン中に広げてしまうリスクを高める」とはっきりと示しています。
また、CDC（アメリカ疾病予防管理センター）も、「生の鶏肉は洗う必要はなく、そのまま調理してOK」と明言しているんですよ。

このように、鶏肉を洗わないことは世界的なスタンダードなんです。カンピロバクター菌は、中心部を75℃で1分以上しっかりと加熱すれば死滅しますから、わざわざ危険を冒して洗う必要は全くないんですね。

でも、どうしても血の塊や汚れが気になる時ってありますよね。そんな時の「唯一の安全な方法」があるんです。次にその方法をこっそりお教えします。

どうしても洗いたい場合の唯一の方法と注意点

この方法を知っておけば、いざという時も安心して鶏肉をきれいにできます。ポイントは「水しぶきを絶対に飛ばさない」ことです。

蛇口から直接水をかけるのは絶対にNG！代わりに、以下の手順を試してみてください。

ボウルに水を張り、その中で鶏肉を優しく振り洗いします。
汚れが落ちたら、すぐに鶏肉を引き上げます。
使用後のボウルやシンクは、まず洗剤でしっかり洗い、仕上げに熱湯をかけて消毒しましょう。

このひと手間が、家族を食中毒から守ります。

でも実は、臭みの本当の原因は、洗って落とすような表面の汚れじゃないことが多いんです。その正体、気になりませんか？

臭みの原因はドリップ！洗うより「拭き取る」が正解

鶏肉の臭み、その最大の犯人はパックの底に溜まったあの赤い液体、「ドリップ」です！これを攻略すれば、あなたの鶏肉料理は一気にレベルアップしますよ。

ドリップは、鶏肉の旨味成分と一緒に流れ出てしまった水分。これが空気に触れて酸化したり、雑菌が繁殖したりすることで、嫌な臭いを発生させます。

ですから、正解は「洗う」ではなく「拭き取る」こと。私が料理教室で最初に教えるのも、この『拭き取り』なんです。

調理を始める前に、キッチンペーパーで鶏肉全体の水分とドリップを優しく押さえるように拭き取ります。
特に、皮と身の間や、筋や脂肪の間に溜まったドリップも、ペーパーの角を使って丁寧に取り除きましょう。

たったこれだけで、驚くほど鶏肉の臭みが軽減されます。ぜひ試してみてください！

さあ、これで下準備はバッチリ！でも、そもそもなぜ鶏肉は臭みが出るのでしょうか？その原因を知れば、対策はもっと簡単になりますよ。次の章で詳しく見ていきましょう。

【洗うより効果的】鶏肉の臭みを取るプロの技と原因別アプローチ

解決策

ここからは、いよいよ実践編です！拭き取るだけでは取り除けない頑固な臭みも、これから紹介するプロの技を使えば、まるでお店の味に。

様々な方法をご紹介するので、あなたのキッチンにあるものや、作りたい料理に合わせて、ぴったりの方法を見つけてくださいね！

そもそも鶏肉の臭みの原因は？どんな匂いがするのか解説

敵を知り、己を知れば百戦殆うからず！まずは臭みの正体を突き止め、なぜそれが発生するのかを理解しましょう。これがわかると、どの対策が効果的か自分で判断できるようになります。

鶏肉の臭みの主な原因は、以下の2つです。

脂肪の酸化：鶏肉に含まれる脂肪が空気に触れることで酸化し、特有の獣のような生臭さを発生させます。
鮮度の低下：時間が経つにつれて雑菌が繁殖し、傷み始めると酸っぱいような不快な匂いが出てきます。

新鮮な鶏肉はドリップが少なく、ほんのり甘い香りがするんですよ。スーパーで選ぶ時の参考にしてくださいね。

原因がわかったところで、いよいよプロの臭み消しテクニックの登場です！まずは、誰もが一度は試したことがある王道の「お酒」から見ていきましょう。

【基本の技】酒を使った臭み消し｜効果的な使い方と漬け込み時間

いつもの唐揚げや照り焼きがワンランクアップする、一番手軽で効果的な方法がこれです！お酒の力を最大限に引き出す使い方をマスターしましょう。

やり方はとっても簡単。鶏もも肉1枚（約250g）に対し、日本酒か料理酒を大さじ1杯程度ふりかけ、手で優しく揉み込むだけ。

ポイントは、揉み込んだ後に「10分から15分ほど置く」こと。この時間で、お酒のアルコール成分が臭み成分と一緒に気化して、嫌な匂いを外に追い出してくれます。

そして調理の直前、浮き出てきた水分をキッチンペーパーで軽く拭き取ってください。この最後のひと拭きが、べちゃっとさせず、プロの仕上がりを左右する大切なポイントです！

お酒もいいけれど、もっとさっぱり仕上げたい時や、うっかりお酒を切らしていた時はどうする？そんな時はキッチンの「お酢」の出番です！

さっぱり仕上がる！酢を使った鶏肉の臭み取りテクニック

テクニック

「え、お酢！？酸っぱくならない？」と心配なあなた、ご安心ください！これが驚くほど効果的で、料理の味を邪魔しないどころか、お肉を柔らかくしてくれる嬉しいおまけ付きなんです。

鶏肉1枚に対し、穀物酢やリンゴ酢など、家にあるお酢を小さじ1杯揉み込むだけ。お酢の酸性が、臭みの元となるアルカリ性の成分を化学的に中和してくれるので、根本から臭いを消し去ってくれます。

特に、酢豚や鶏肉のさっぱり煮、洋風のマリネなど、もともと酸味を活かす料理との相性は抜群ですよ。

さて、お酒もお酢もない！そんな絶望的な状況でも大丈夫。実はキッチンにある「アレ」も、臭み取りの名選手なんです。

【酒以外も】牛乳・ヨーグルト・塩麹など代用品を使った臭み取り

冷蔵庫を開けてみてください。これから紹介するものが、あなたの鶏肉料理の救世主になるかもしれません。知っておくと料理の幅がグッと広がりますよ！

牛乳・ヨーグルト：乳製品に含まれる「カゼイン」というタンパク質が、臭み成分を磁石のように吸着してくれます。鶏肉が浸るくらいの量で15分～30分漬け込み、調理前に洗い流すか、拭き取って使います。
塩麹・醤油麹：大さじ1杯ほどを揉み込むと、酵素が臭みを分解し、同時にお肉を柔らかく、そして旨味をアップさせてくれます。まさに一石三鳥！
砂糖：意外かもしれませんが、砂糖を少量（小さじ1/2程度）揉み込むのも効果的。砂糖の保水効果がお肉の水分（ドリップ）を閉じ込めて、臭みの流出を防いでくれるんです。

さて、新鮮な鶏肉の下処理はこれで完璧ですね。では、冷凍庫に眠っている特売で買った鶏肉はどうでしょう？実は冷凍肉には、特有の臭み対策があるんです。

冷凍鶏肉の臭みは解凍がカギ！ドリップを出さない正しい戻し方

「冷凍した鶏肉って、なんだかパサパサで臭い…」その悩み、解凍方法を変えるだけで劇的に解決します！冷凍鶏肉を美味しく食べる最大の秘訣は、いかにドリップを出さずに解凍するかにかかっています。

絶対にやってはいけないのが、電子レンジでの解凍や常温放置。急激な温度変化で肉の細胞が壊れ、旨味を含んだドリップが大量に流れ出てしまいます。

おすすめの解凍方法は2つです。

【ベストな方法】冷蔵庫でゆっくり解凍：時間はかかりますが（半日～1日）、最もドリップが出にくい方法です。使う前日に冷凍庫から冷蔵庫に移しておきましょう。
【急ぐ場合】氷水で解凍：鶏肉をポリ袋に入れて空気を抜き、氷水を入れたボウルに浸けます。冷蔵庫より早く、かつ低温を保ちながら解凍できます。

このひと手間が、冷凍鶏肉を「ごちそう」に変える魔法です。ぜひ、覚えておいてくださいね。

下処理は万全！でも、茹でる時にもうひと工夫することで、さらに臭みを追い出せるって知っていましたか？

茹でる時のひと工夫で激変！臭みを取り除く下茹でのコツ

サラダチキンやスープ、棒棒鶏など、茹でて使う鶏肉がもっとクリアで上品な味わいになる、とっておきのテクニックをご紹介します。使うのは、普段捨ててしまうような「野菜の切れ端」です。

鍋に水と鶏肉を入れる際、一緒に以下のものを入れてみてください。

長ネギの青い部分
生姜の皮やスライス

これらの香味野菜が持つ香りが、鶏肉の臭みをマスキングし、爽やかな風味をプラスしてくれます。そして火にかけ、沸騰してくると灰汁（アク）が出てきます。これが臭みの元なので、丁寧に取り除きましょう。

お肉の表面が白くなったら一度ザルにあげ、表面のぬめりや残ったアクを冷水でさっと洗い流してから本調理に使うと、仕上がりが格段に違いますよ！

万全の対策をしたはずなのに…なぜか調理後に臭みが残ってしまった！そんな時のための緊急レスキュー術も、もちろん用意しています。

やってしまった！調理後に残った鶏肉の臭みを消す裏ワザ

「もうこの料理は失敗かも…」と食卓でガッカリするのはまだ早い！これから紹介する裏ワザで、お料理を美味しく蘇らせましょう。「後乗せ」や「ちょい足し」でできる簡単な方法ばかりです。

効果的なのは、香りの強いものをプラスする方法です。

スパイスやハーブをかける：粗挽き黒胡椒をたっぷりめに挽いたり、ニンニクパウダー、カレー粉、ローズマリーなどを振りかけると、香りで臭いを上書きできます。
香味野菜を足す：生姜やニンニクのすりおろしを少し加えたり、刻んだ大葉やミョウガを添えるのもおすすめです。
柑橘を絞る：食べる直前にレモンやライムをキュッと絞る！柑橘の爽やかな香りが臭みをカバーし、さっぱりと食べられます。唐揚げにレモンを添えるのと同じ原理ですね。

これで、万が一の時も安心ですね！

ここまで様々な対策をご紹介しましたが、究極的には「臭みのない新鮮な鶏肉」を選ぶのが一番の近道です。最後に、私がスーパーで実践している選び方のコツをお伝えします！

臭みのない鶏肉の選び方と鮮度を保つ保存テクニック

スーパーで美味しい鶏肉を見抜く「目」を養えば、そもそも臭みで悩むことが格段に減りますよ。今日から使える、簡単なチェックポイントを3つご紹介します。

私がスーパーで必ずチェックするのはこの3点です。

色をチェック！：お肉の色は、透明感のあるきれいなピンク色をしていますか？皮は黄色っぽくなく、クリーム色のものが新鮮です。
皮の毛穴をチェック！：皮の毛穴がキュッと盛り上がっているのは、鮮度が高い証拠です。
ドリップをチェック！：パックを少し傾けてみて、赤いドリップがたくさん出ていないか確認しましょう。ドリップが少ないものほど新鮮です。

そして、買ってきたらすぐにパックから出し、キッチンペーパーで水分を拭き取ってから1枚ずつラップでぴったりと包み、チルド室か冷凍庫で保存します。このひと手間で、美味しさが長持ちしますよ。