7-23-1

『小学生の学力は「計画力
で決まる!』(坂本七郎著・大和出版・1,470円)という著書もありますが、計画を立てることは大切なことです。

子どもにとっては、自分で計画を立てるという作業がモチベーションを上げ、それによって目に見える成果に喜び、さらに意欲が高まるという好循環を生み出します。

長期休暇の夏休みは、子どもが自分で計画を立てることができる絶好のチャンスです。9回目の夏休みを迎える先輩ママとして、失敗しない計画を立てる4つコツを紹介します。

①3段階目標でゆるくきっちり!

7-23-2
目的地が決まらないと舵がとれないように、計画には目標が必要です。まずは夏休みという期間をどのように過ごしたいか考えてみましょう。

私も何度か子どもたちに自分で目標を立てさせましたが、失敗の連続でした。子どもの根気不足で挫折してしまうのではなく、目標設定に無理があるのではないかと思うようになり、行きついたのが3段階に設定する方法です。

目標はより明確にすると効果があります。漠然に考えると意識が散漫しがちになります。目標達成は頭と心の連携プレイとも言えますので、明確な目標を頭に植え付け、常にその目標に意識が集中できるようにします。

それには以下のような3段階の目標設定をお勧めします。

①毎日続けたいこと
②週に1回はやりたいこと
③1回はやりたいこと

<①毎日続けたいこと>
例えば、漢字が苦手だというお子さんは、夏休みの間、漢字ドリルを毎日1ページずつ行う。あるいは玄関の掃除などのお手伝いを毎日する、というのでもいいでしょう。毎日続けるというとハードルが高い気もしますが、約40日という期間は、頑張ればできる日数なのでチャレンジするには絶好の機会です。

<②週に1回はやりたいこと>
週に1回というのは、曜日を特定せず、できる時にやるという、ゆるく、だけどきっちりした目標設定です。夏休み中に計5回したいものを設定します。

例えば、週に1回はプールに行き泳ぎの練習をするとか、週に1回は都道府県名を覚えるかるたゲームをするなど。あるいは、週に1冊のペースで本を読む、というのも良いでしょう。

<③1回はやりたいこと>
夏休み中に1回はやりたいことは、長期休暇ならではのビッグチャレンジを設定しましょう。富士登山する、おじいちゃん、おばあちゃんの家まで一人で電車に乗っていく、コンクール用の絵を描くなど、ひと夏の思い出になるようなでっかいことに挑戦できるといいですね。

②1日の基本スケジュールはざっくりと!

7-23-3
次は1日の基本スケジュールを作ります。平日バージョン、週末バージョンをざっくり決めます。固定するのは「起床時間」「就寝時間」そして「食事の時間」くらいで、あとは「勉強2時間」など1日のうちのどこででもできるようにしておくと、無理なく継続できます。

<(例)1日の基本スケジュール>

6:30 起床
7:00 朝食
8:00 自由時間
9:00 勉強(1日2時間)
10:00 読書など
11:00 自由時間
12:00 昼食
13:00 自由時間
14:00 朝に勉強できなかった場合はこちらで。
15:00 おやつ
16:00    その日の習い事などの時間によって
17:00    柔軟に対応する 
18:00 夕食
19:00    家族との時間やリラックスタイムもいいですね
20:00    スケジュール通りにできていなければここで頑張る
21:00 就寝

基本的生活以外は、その日の予定に合わせて柔軟に対応します。遊ぶ予定ができれば思いっきり遊びましょう。見たいテレビがあればその時間を確保できるように、他の時間でやるべきことをやりましょう。

きっちりしすぎた計画は、自分で自分の首を絞めることになりかねません。基本生活は固定で、あとはフレキシブルに!

③自分で計画表を作る!

7-23-4

計画表は子どもが自分で作ることに意味があります。計画表を作りながら、40日間が限られた期間であることが明確になります。また、だいたいの時間の長さのイメージもわきます。

まずは、その期間内の家族の予定、習い事などを書き込み、その後、毎日の学習とは違う自由研究や読書感想文などの日程を入れていきます。

自分で計画表を作ると言う作業は、自分の今ある能力と潜在能力を客観視しながら進めるので、より子どもを自立させることができるでしょう。経験の無さから時には誤った判断で、無理な計画になるかもしれません。そういったところを、大人の視点でアドバイスしてあげてください。

また、予備日として週に一度くらい調整可能な日を設けておくとよいでしょう。無理なく続けられる計画を立てることがモチベーションをキープするコツです。

表の作成は、高学年の場合はエクセルを使った表の作成を覚えることもよい経験となりますし、低学年はマス目や行の入ったノートなどに手書きで作成するのもよいと思います。ネット上に小学生向けの無料の計画表もあります。上手に活用できるといいですね。

スケジュール表:お勉強:知る:学ぶ:キッズ@nifty
http://kids.nifty.com/card/summer/03_schedule/

④見守って褒める!

7-23-5
できあがった計画表に、子どもたちは自分を誇らしく思うことでしょう。この気持ちがとても大切です。

しかし、計画を立てる作業は楽しくても、それを実行する、継続するというのはまた別の話です。お母さんのサポートがここから威力を発揮します。

子どもが長距離走をすると考えてみてください。目標や意気込みを語って、スタートをきったとします。子どもたちは、長い道のりの中で、つい疲れて立ち止まったり、遊んでいる友達を見かけて道をそれたりするかもしれません。

それを阻止するためにも、お母さんは伴走者として横で声掛けをしてあげましょう。24時間ぴったり付き添う必要はありません。1日の終わりに、「今日はどうだった?」と計画表を見て、「がんばったね」とサインをしてあげるのです。

我が家の末っ子の娘は、私の押すかわいいハンコに大喜びしてくれます。そんな些細なことで子どもの継続をサポートできるんだな、と実感しています。

ゴールではなく成長の糧に!

7-23-6
夏休みを立てた計画に沿ってきちんと過ごすこと、目標を達成することは、本当のゴールではありません。いつか大きな社会の中で挑んでいく目標に、前向きに粘り強く突き進んでいけるためのシュミレーションのようなものでしょう。

たとえ、目標を達成できなくても、努力した過程は素晴らしいものであると教えてあげてください。目標や計画は何度でも設定できるし、何度でも挑戦できます。「次こそは!」と歩みを止めない強い心を育てられるようサポートしてあげましょう。
折れない心を作るのは、小さな経験を通して積み上げられる自信に他なりません。この夏に、自分で立てた目標と計画を自分の力で頑張ってやり遂げたという自信を、縁の下の力持ちとなってサポートすることがお母さんの大切な役割だと思います。