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片付けても片付けても、育ち盛りの子どもたちは散らかしてくれます。

ここは、子どもたちに「掃除の大変さ」を体験させ、母親の苦労を思い知らせてやろうと、ある日、1日を使って子どもたちに子ども部屋の大掃除をさせたことがありました。

煩雑に散らかった部屋で途方に暮れている子どもたちをみかね、一つひとつ丁寧に理論だてながら片付けさせたところ、なんと、子どもたちに大きな変化が! 以来、子どもたちは部屋を散らかすどころか、部屋はいつも片付き、そればかりか喜んでこまめに掃除するようになったのです!

なるほど。片付けのコツは、まず頭の中を片付けることなんですね。私が子どもたちに説明した納得&簡単収納術。6つに分けて紹介します。

①まずはやっぱり断捨離

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当然ながら、あふれる物は片付けられないですね。箱の中には箱以上の物は入らない。掃除を簡単にするには、物を減らすこと。まずは不要なものを処分することから始めます。

②使用目的ごとにグルーピング

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次に、引き出しの中の物をチェックさせてみました。

そうすると、同じノートでも、学校で使うものと家で使うものが同じ引き出しに入っていたり、ペンと消しゴムが違う引き出しに入っていたり。

実はこの「仲間はずれ君」が収納の秩序を乱し、「どこだったかなぁ」のドタバタ劇や「面倒だなぁ」という片付け放棄につながってしまうのです。

病院の横にある薬局、ショッピングモールの中にあるATMは、ストレスフリーのありがたい配置ですよね。

このように「意識」して使用目的ごとにグルーピングし、さらにそのグループ内で①よく使うもの②時々使うもの③滅多に使わないものというように、使用頻度別に分類すると、使用時の作業の効率も上がります。

③使用場所を中心に半径1m定位置管理

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さて、迷子にならずに家に帰ることができるのは、帰る場所が決まっているから
ですよね? 物の収納にも同じ法則が当てはまります。

ここからは②でグルーピングしたものたちの「家」を決める作業です。重要なのは、使う場所を中心に半径1m内に収納すること。

私はアイロンとアイロン台をコンセントから離れた場所に収納していました。すると、案の定アイロンは使用後そのままコンセント近くに放置されるようになり、たとえ元の場所に戻しても、次に使うことにストレスを感じるようになってしまったのです。間違った収納場所が「アイロン=負担」という法則を自分の中に作ってしまったのですね。

作業を行う場所から半径1m 内に収納場所を確保するということには、楽に作業を始め、無駄な動きをせずに片付けられるという作業効率の向上に加え、心のストレスをなくす秘訣も隠されています。

④ものに合わせた収納スペースを作る

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次は、家が決まったものたちに「部屋」を分け与えてあげる作業です。

先ほどの私のアイロンの失敗例のように、スペースに合わせて収納場所を決め
ると、実際の作業の動線から外れてしまうこともあります。上手な収納は、必要
な場所に、ものに合わせた収納スペースを作ることから生まれます。

そして「仕切る」ことで新たな空間が生まれたり、さらに細かな定位置が定まる
ことになります。

碁盤に目がなかったら碁石はきれいに並びません。碁盤の目は、見た目に分か
りやすい、出し入れしやすい、無駄なくスペースを活用できる収納のヒントが詰
まっています。

<上手な収納を助けるグッズ>
・突っ張り棒や突っ張り棚…空間を有効活用する
・100均のトレーやかごなど…まとめ収納に便利
・ブックエンド、プラケース…自在に仕切りが作れる
・牛乳パック…小物の収納に便利

⑤小物はざっくり収納でストレス減

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一番頭を抱えそうなのが小物の収納。とくに子どもは、小さなおもちゃやお菓子のおまけなど、分類することが難しいものがたくさんあります。この場合は思い切って、ざっくりゆったりとまとめ収納を行うのがポイントです。

アクセサリー類など一つひとつ仕切りがあると使いやすいものも、収納スペースに常にゆとりがある状態が望ましいです。

増減に左右されないゆとり収納が片付けるストレスを削減してくれます。

⑥ラベリングでMUST収納

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最後の仕上げはラベリング。家に正確なアドレス(住所)があるから郵便物は迷わず届きます。同様にものにアドレスを作りましょう。

100均のマスキングテープなどを使うと、楽しくラベリングが行え、また変更時にも剥がしやすくて便利です。

ラベリングすることにより、確実に元の場所に戻す(MUST)という意識が維持されます。また、これまでの論理だてた収納術によって、ストレスフリーの収納ができているはずです。

掃除が好きになれなかったのは、終わりのない作業だと思えたからではありませんか? この子どもでもわかる収納術を試せば、あなたもきっと毎日の掃除が楽しくてたまらなくなることでしょう。