夏休みの自由研究、お母さんも憂鬱ですよね。うちの子は何ができるんだろうか?やり遂げることができるのだろうか?心配は尽きません。
実は小学生の夏休みの自由研究は、子どもの成長にとても効果的な作業です。しかし、子どもが子どもだけの知恵で自分の考えを具体化、あるいは実践・実験するのは至難の業です。この部分をお家の方がサポートするだけで、子どもはぐんと成長します。
自由研究を行うにあたりいちばん難しいのはテーマ選びと思われているかもしれません。ところが、自由研究の題材になるテーマは日常のあちこちに散らばっています。それに気付くことができるのが、小学生の「目」なのです。
小学生の素晴らしい「目」を大人の力で引き出してあげ、そこからゲーム感覚で子どもの「?
を追いかけていくことで、立派な研究へと仕上がることでしょう。ここでは、過去の子どもたちの自由研究のテーマを紹介します。これらを参考にお子さんのやる気をサポートしてあげてください。
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ありがとうと言うとご飯は喜ぶ?(小学1年生)
研究のタイトルは「ありがとうと声をかけたご飯と無視をしたご飯の実験」。何だろう?と思いますよね。
ある1年生の少年が、炊き立ての熱々のご飯を二つの瓶に入れて蓋をし、一方には毎日「ありがとう」と呼びかけ、もう一方は完全に無視をして、夏休みの40日間、経過を観察しながらまとめていったものです。
大人では考えもつかないテーマですが、その結果も大人の想像を超えるものとなっています。子どもはみんな素晴らしい感性を持っています。大人の力で表へ引き出してあげたいですね。
名探偵になって持ち主を探す!(小学2年生)
こちらの研究のタイトルは『サメくん この歯だれのかわかる?』というものです。この2年生の少年は、ある日水族館で買ってもらったサメの歯が、一体どのサメの歯だろう?と疑問に思ったそうです。その小さな「?」がきっかけとなり、この研究が始まりました。
まず最初に図書館や自宅の本で調べて、予想をたて、その予想が合っているか確かめるため、ある大学の名誉教授に手紙と写真を送ったり、ある水族館のスタッフにインタビューするなどして、探偵のように探っていったそうです。
一見、子どもらしいと思える発想も、調べ方の工夫でどんどん深まり、生物学の分野の生態研究へと発展することもできます。調べる手段や、まとめ方など、少しの大人のサポートで、2年生の子どもでも、名探偵にも生物学者にもなれますね。
いつものジャンケンが大調査へ!(小学3年生)
自由研究は理科だけではありません。ふとした気付きが数学的調査へ早変わりです。こちらの研究のタイトルは『ジャンケンはどうして3しゅるいなの?』というものです。
確かに、ジャンケンは「グー」「チョキ」「パー」の3種類ですよね。これは日本に限らず、海外でも同様に3種類で行われています。2種類ではいつも勝ち負けが決まっているのでゲームが成立しないことは容易に想像できますが、確かに4種類でも5種類でもよさそうなものです。
このことを疑問に思った小学3年生の少女は、6種類までのジャンケンのルールを作り、それぞれ対戦表を用いて調査していきました。そしてその結果からわかったことをまとめ、素晴らしい研究へと仕上げたのです。
毎日の出来事から研究へ!(小学4年生)
夏に悩まされるものの代表格として思い浮かぶのは、暑さの次に「蚊」ではないでしょうか。寝ている時に蚊の羽音が聞こえることほど不快なものはないですよね。
誰もが思う「蚊っていやだなぁ」をそのまま研究にしてしまったのがこの小学4年の少女が行った『小さな吸血鬼~今、私にできること~』です。そして小学校中学年らしく、蚊が原因となる病気を防ぐことへと考えを発展させています。
彼女が行った実験は、自ら蚊にさされながら「かゆみを抑える方法」を探ったり、蚊を卵から孵化させたり、蚊の捕獲器を作ってみたりなど、様々な角度から検証しています。また、市販の捕獲器を買い、その販売元に話を聞くことも行っています。
まさに、きっかけがどんな小さなことであっても、探求心さえあれば大きな研究につながるということを再認識されられる研究ですね。
ポニーテールも研究題材に!(小学5年生)
びっくりさせられるのがこちらの研究『~ポニーテールはなぜ揺れる~振り子の振れ方の研究』。
小学5年生の少女が、友達のポニーテールを見ていて、リズムよくプランプランと揺れている人、あまり揺れていない人がいることに気付き、どんな時によく揺れて、どんな時にあまり揺れないのか、その秘密を調べたました。
一体子どもの頭はどこまで柔軟なのでしょうね。たかがポニーテールですが、これを長さ、重さ、歩く速さ、振れ幅など、あらゆる観点から調査し、最終的に、その結果が、自己健康チェックや地球温暖化対策に結びつくのではないかという考察に至っています。ここまでくると立派な研究です。
食卓から題材を探す(小学6年生)
小学6年生の少年が研究したのは『かつお節はなぜ踊るのか』というもの。
ある日の夕食で、熱々のお好み焼にかつお節をふりかけると、かつお節が激しく踊っているように動き出した。以前から知っている現象ではあったが、その確かな理由は知らない。ネットで調べてもはっきりとした答えは見つからない。ならば自分で調べてみよう、というのがきっかけだそうです。
テーマは新発見であるとは限りません。当たり前に思っていることでも、もう一度疑問を投げかけることで、研究へと結びつくこともあります。
実際、この少年はこの小さな疑問からたくさんの実験を行い、削り節がよく動くには高い温度とともに高い湿度が必要であるということを導き出しました。研究はそこで終わらず、さらに、同じ条件下で別の物質も同様の反応をするのかという実験にまで発展しました。まさに脱帽ですね。
自由研究をすることの本当の意味
私の息子は、小学校3年生の時に、味噌の作り方について調べました。彼にとっては祖父である私の父が田舎で味噌づくりをしていたので、インタビューをしながらまとめていきました。
彼にとって、自分でテーマを決め、企画し、大人相手にインタビューをするなど、どれをとっても刺激的で、本当に楽しそうに取り組んでいました。そのせいか、当時の彼にはまだ難しかった「麹」や「発酵」などについても、今でもよく理解しています。
このように、時間に追われてこなすだけの自由研究ではなく、自ら興味関心をもって調べたり研究したりすると、確実な知識や力となり、その後の学びに対する意欲も向上します。
また、インタビューや見学など社会と関わり合う必要がある時など、お母さんやお父さんが手伝ってくれることで、子どもは安心して未知の世界へ飛び込んでいけます。
大人社会との関わり合いや、研究をやり遂げることが子どもたちの自信となり力となります。それだけでなく、サポートしてくれたお母さん、お父さんへの信頼感や感謝の気持ちも生まれるでしょう。自由研究は子どもを一回りも二回りも成長させます。どうぞ、温かく見守りながら小さな科学者たちのアシスタントを担ってあげてください。
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