日本は高温多湿でありカビいわゆる菌が繁殖するには最適な環境にあります。そのせいか日本には様々な抗菌グッズがありますね。
ただよく考えてみるとこれだけ菌が繁殖しやすい土地で本当に菌はわたしたち人間にとって敵なのでしょうか。そんなことありません。
とくに「発酵食品」という先祖が食べていた栄養価の高い食べ物は日本が世界に誇る食べ物であります。
まず伝統的な日本人の朝食はご飯、味噌汁、アジの開き、海苔、梅干し、納豆、漬物、などがありますがこれらはご飯以外はすべてが発酵食品です。
ほかには醤油、みりん、酒、味噌、酢など日本の食べ物で発酵食品ではないものを探すほうが難しいくらい発酵食品が多いと思います。
特に鰹節の製造過程などは気が遠くなるほどであり、昔の人の菌を利用する知恵には頭が下がる思いです
日本人は世界で特も特にカビを利用してきた民族です。
菌の歴史
地球上の生き物は大きく分けて「植物界」「動物界」「菌界」とに分かれます。
現在地球上の生き物の総数は約3000万種以上と言われています。
これらが高度2万メートルの成層圏から深海1万メートルまで続いていて地球の生物圏を形作っています。
なかでも菌(微生物)の歴史は一番古く約38億年前に地球上に誕生したと言われています。
植物、動物、菌はそれぞれ独立しているわけでなく互いに共存関係にあります。
1、 植物界は太陽エネルギーを利用して光合成して無機物を有機物に変えてエネルギーの創造と酸素を作り出します。
2、 菌界は有機物を分解し、エネルギー効率を何十倍にもする。
3、 動物界は有機物を吸収して生活し糞尿などを出し、それがまた植物や菌に利用される。
これら3者が相互に依存しあっています。
特に動物は植物と菌に対する依存度が高いのです。植物と菌が生産と分解したもの(植物が作る糖エネルギー、菌が作るタンパク、ビタミン、ホルモン)をただいただいている存在、それが人間を含めた動物です。
筋肉を作るのによく動物性たんぱく質を摂る人がいますが体内に常在菌がたくさんいて上手く働かなくては筋肉すらできません。
人間に対して菌の役割は?
人間を根底から支える菌は人間にはなくてはならない存在です。
そんな菌の人間に対する主な役割は大きくわけて3つあります。
1、 食品の発酵処理
わたしたちが食べる肉、魚、野菜などは直接調理して食べるほかよりおいしく栄養価が高く発酵させてたべます。その役割をになうのが菌です。確かに有害な菌も3割くらいいますが7割は無害であり昔の人は長い年月をかけて菌を上手く利用して発酵食品を作りあげてきました。。
2、 体内の物質代謝作用
食べ物を食べて消化、吸収、燃焼、排せつ、という流れは体内微生物抜きではありえません。つまり生きることは菌の力がないと一瞬でも生きることができないということです。
3、 生活の環境作り
私たちが住む地球の土地や水がきれいなのは糞尿、死骸などを含めたあらゆるものを菌が分解してくれるからです。
私たちの体内だけでなく空気や土の中にも大量の菌がいて地球を綺麗にしてくれていて地球環境を良質に保ってくれています。そんな菌のいる土地に農薬や薬品などをかけて菌を苦しめています。しかもそれらの行為は人間の体すらむしばんでいます。
人間はお金のためには後先を考えずに目先の利益を優先させてしまい。あとでツケがまわります。
人間を守ってくれる菌
実は健康な人ほど体にびっしり付いている菌の層が厚いことが分かっています。
この菌は体に付いた有害な菌を中和してくれています。
菌はとても頼もしいバリアの役割もしてくれています。
つまり菌を恐れて除菌すればするほど体内や皮膚の菌は減ってしまい菌に侵されやすくなるという皮肉の結果が待っています。
体内の菌が数が減り状態が悪くなるとますます不健康になり余計菌に侵されやすくなります。
菌を除菌するという発想を捨てない限りどんどん弱くなります。
最近の日本人は清潔すぎて本当に弱いですね。
それともう一つ菌は除菌をしようとしても完璧には除菌できません。それどころかその除菌に耐え抜いてより強い耐性菌が発生してしまいます。
最近結核菌がまた流行りはじめているのはそのせいです。
しかも体内常在菌が少ない人ほどなりやすいでしょう。
ここでもむくいがでていますね。
除菌は効果はありません。
というより除菌をやらずに菌と上手に共生しましょう。