鳴り物入りで登場したIntelのGPU「Arc」。しかし検索窓には「やめとけ」「ゴミ」といった不穏なサジェストが並び、購入をためらっている方も多いのではないでしょうか。
2025年現在、Intel Arcは劇的に進化していますが、誰にでもおすすめできるわけではありません。
この記事では、なぜ「やめとけ」と言われ続けたのか、そして**「今は買っても大丈夫な人と、絶対に買ってはいけない人の決定的な違い」**について、元PCパーツ店員の視点で解説します。
目次
Intel Arcが「やめとけ」と言われる最大の理由とは?
Intel Arcが「やめとけ」と言われる主な理由は、発売当初のドライバ未成熟による「ゲームのクラッシュ多発」と「古いDirectX 9ゲームでの極端な性能低下」が原因です。現在はアップデートにより大半の問題が解決されましたが、実は特定のPC構成においては依然として動作が不安定になる「3つの致命的な条件」が存在するため、購入前の確認が不可欠です。
「自分は大丈夫なのか?」を確認するために、まずは過去の悪評の真相と、現在の改善状況を深掘りしていきましょう。

1. 発売当初のドライバが「β版レベル」だった
「ゲーム中に落ちる」「画面が点滅する」。これらは発売当初、事実として多発していました。
- 過去の惨状: 発売初期はドライバの完成度が低く、ベンチマークソフトすら完走しないケースがありました。これが「インテル グラボ ゴミ」という汚名の最大の原因です。
- 2025年の現状: Intelは年間数十回という猛烈なペースでドライバアップデートを実施。致命的なバグは潰され、安定性は飛躍的に向上しています。
2. DirectX 9(古いゲーム)の性能が出なかった
Arcは最新のDirectX 12に最適化された設計のため、DX9などの古いAPIをネイティブに処理できず、変換レイヤーを通すことで性能ロスが発生していました。
しかし、最新ドライバではこの変換効率が改善され、例えば『CS:GO』などのタイトルでは、発売当初比で平均フレームレートが大幅に向上しています。それでも、古いゲームへの「絶対的な安定性」はGeForceに分があります。
Intel Arcを買うと後悔する人の特徴8選
いくらコスパが良くても、以下の特徴に当てはまる場合はIntel Arcを買ってはいけません。ストレスを感じるだけです。
- Apex Legends等の対戦FPSで「144fps張り付き」を死守したいガチ勢
- プレイするゲームの8割がDirectX 9世代(古いMMOなど)の人
- PCのトラブルシューティングやドライバ更新が「面倒くさい」と感じる人
- CPUが古く「Resizable BAR(Re-Bar)」機能に対応していないPCを使う人
- VRゲーム(VRChatなど)をメインで遊びたい人(相性問題あり)
- AI画像生成(Stable Diffusion)をローカル環境で手軽に始めたい初心者
- アイドル時(何もしていない時)の消費電力が高いのが許せない人
- 古いモニターを使っていて、HDMI/DisplayPortの相性を気にしたくない人
逆に言えば、これらに当てはまらない人にとっては、Arcは「価格以上の性能を発揮する高コスパGPU」になり得ます。では、具体的にどの程度の性能があるのか、競合と比較してみましょう。
【性能比較】Intel Arc A770/A750 vs RTX 3060 vs RX 6600
「実際、GeForceと比べてどうなの?」という疑問に答えるため、主要なスペックと実際の使用感を比較しました。
| 項目 | Intel Arc A770 (16GB) | Intel Arc A750 (8GB) | GeForce RTX 3060 (12GB) | Radeon RX 6600 (8GB) |
|---|---|---|---|---|
| 実売価格目安 | 約4.5万円〜 | 約2万円台〜 | 約3.8万円〜 | 約2.8万円〜 |
| DX12 ゲーム性能 | ◎ (3060以上) | ○ (3060と同等) | ○ | △ |
| DX9 ゲーム性能 | △ (改善傾向) | △ (改善傾向) | ◎ | ○ |
| レイトレーシング | ○ (そこそこ動く) | △ | ◎ (DLSS優秀) | × |
| 動画編集 (AV1) | ☆ (最強クラス) | ◎ (高コスパ) | △ (非対応も有) | △ |
| VRAM容量 | 16GB | 8GB | 12GB | 8GB |
| ワットパフォーマンス | △ (高負荷時高い) | △ | ○ | ◎ |
| ドライバ安定性 | △ (発展途上) | △ (発展途上) | ◎ | ○ |

表から分かる通り、Arc A750の実売価格に対する性能(特にDX12ゲームと動画編集)は圧倒的です。予算2万円台でこの性能が手に入るのは、現状Arc以外にあり得ません。
Intel Arcに関するよくある質問(FAQ)

購入前に多くの人が感じる不安や疑問について回答します。
Q. 「開発中止」という噂を聞いたけど本当?
A. いいえ、開発は継続しています。
一時期、事業撤退の噂が流れましたが、Intel CEOが明確に否定しました。現在は次世代GPUアーキテクチャ「Battlemage(バトルメイジ)」の開発が進んでおり、将来的には「Arc B580」などの新モデルが登場する見込みです。むしろ、IntelはGPU市場に本腰を入れています。
Q. 内蔵GPU(Iris Xe)とArcは何が違うの?
A. まったくの別物です。性能差は10倍以上あります。
「Intel Arc」ブランドにはCPU内蔵型もありますが、今回紹介しているデスクトップ用グラフィックボード(Aシリーズ)は、3Dゲームや重い動画編集をこなすための専用パーツです。事務作業用の内蔵GPUとは比較にならないパワーを持っています。
Q. 動画編集に強いって本当?
A. 本当です。特に「AV1エンコード」に関してはプロ級です。
Arcは最新の高圧縮・高画質コーデック「AV1」のハードウェアエンコードにいち早く対応しました。また、Intel製CPUと連携して処理を高速化する「Deep Link」機能も強力です。ゲーム実況の配信や、動画編集ソフト(DaVinci Resolve等)での書き出し速度重視なら、同価格帯のGeForceよりも幸せになれます。
【診断】あなたはIntel Arcを買うべき?
「自分の環境や用途で本当に大丈夫かな?」と迷っている方へ。3つの質問に答えるだけで、あなたがArcに向いているか、それともやめておくべきかを自動判定します。
👾 Intel Arc 適合度診断
3つの質問に答えるだけで、あなたがArcを買うべきか判定します。
Q1. メインの用途は?
まとめ:Intel Arcは「玄人好みの良品」に進化している
ここまで解説した通り、2025年のIntel Arcは「ただのゴミ」から「用途を選べば最強のコスパ品」へと進化を遂げました。
最後に、あなたがArcを選ぶべきかどうかの最終チェックリストを提示します。
結論:Intel Arcを買っても良い条件
- メイン用途が「動画編集・配信」または「最新のDX12ゲーム」である。
- PCにトラブルがあっても、自分で調べて解決することを楽しめる。
- とにかく予算を抑えて、少しでも高い性能を手に入れたい。
これら全てに「YES」と答えられるなら、Arc A770やA750はあなたの期待を裏切らない相棒になるはずです。
逆に、少しでも不安があるなら、素直にNVIDIA GeForce RTX 4060などを選ぶのが無難です。あなたのPCライフスタイルに合わせて、後悔のない選択をしてください。
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