「【推しの子】がついに完結したけど、結局どうだったの?」途中離脱してしまったあなたや、評判を聞いて読むのを迷っているあなたへ。

連載中は「つまらなくなった」「失速した」と囁かれた本作ですが、全ての伏線が回収された今、その評価は大きく二分されています。

  • なぜ「つまらない」と言われ続けたのか(構造的な正解)
  • あの「中だるみ」は最終回のために必要だったのか?
  • 完結した今だからこそ分かる、本作の正しい歩き方

ネタバレを最小限に抑えつつ、騒然となった最終回の是非も含めて徹底解説します。

なぜ【推しの子】は連載中につまらなくなったと言われたのか?

【推しの子】が連載中盤で「つまらなくなった」と酷評された最大の理由は、週刊連載という形式と、作者が描きたかった「芸能界のドキュメンタリー」というテーマの相性が悪かったためです。特に、サスペンスとしての解決を急ぐ読者の期待に対し、物語が業界の構造改革や群像劇へと横道に逸れ続けたことで、深刻な「期待値のズレ」が生じました。ただし、完結した今振り返ると、その「寄り道」こそが結末の悲劇性を高めるために不可欠な装置だったことが分かります。

もし

作者の作風?「モジュール型」構成が生んだ連載時の亀裂

本作は「全体のスムーズな流れ」よりも「その章ごとの瞬間風速」を優先する作りになっていました。

作者の赤坂アカ先生の手法は、各エピソード(モジュール)の完成度は高いものの、それらを繋げた時のテンポに難がありました。

  • サスペンス編:犯人探しのミステリー
  • お仕事編:業界の闇と働き方改革
  • 恋愛編:ドロドロのリアリティショー

これらがパッチワークのように繋がれていたため、週刊連載で追っていると「今、何の話をしているんだっけ?」と迷子になりやすかったのです。完結後に一気読みすれば気になりませんが、リアルタイム勢にとっては苦痛な期間があったのは事実です。

序盤が面白すぎた?「起爆装置」としてのプロローグの呪い

疑問

第1章(アニメ第1話)の衝撃が強すぎたことが、結果として本編のハードルを上げすぎてしまいました。

「アイの死」という劇薬を使ったプロローグは、読者を惹きつける最強のフックでしたが、同時に「常にあのレベルの衝撃」を求められる呪いにもなりました。

  • プロローグ:ジェットコースターのような非日常の衝撃
  • 本編中盤:地道な役作りや組織論を描く日常の解像度

このギャップにより、本来は高品質な「芸能界群像劇」が、サスペンスの続きを待つ読者には「ただの引き伸ばし」に見えてしまったのです。

復讐劇が進まなかったことに苛立った「サスペンス期待層」

完結まで読み通した読者からも、中盤の展開に関しては「やはり長すぎた」という声が上がっています。特にサスペンス要素を重視していた層にとって、以下のポイントは最後までノイズとして機能してしまいました。

  • 本筋に関係ない自分語り:「東京ブレイド」編などで、復讐と無関係な脇役の掘り下げが長期間続いた。
  • 日常回によるテンポ阻害:緊迫した場面の直後にアイドルの日常パートが入り、緊張感が削がれた。
  • 核心へのアプローチ遅延:犯人の正体が判明した後も、直接対決までの準備期間(映画編)が長尺だった。
  • 新キャラの増加と放置:中盤で多くの新キャラが登場したが、最終的に本筋に絡まないキャラもいた。
  • ミステリーとしてのフェアさ:知略戦を期待したが、最終的な解決策が感情論やオカルトに寄った。
  • 目的意識のブレ:アクアの動機が「復讐」と「更生」の間で揺れ動きすぎ、読者が共感しにくかった。
  • シリアスとギャグの不協和音:最終章付近でもコミカルな描写が挟まり、没入感が途切れた。
  • 「カミキヒカル」の小物感:ラスボスとしての描写が、引っ張った期間の割にあっさりしていたという意見。
  • 解決編の不完全燃焼:最も知りたかった「動機」や「真実」の一部が、読者の解釈に委ねられた。

サスペンスとして完璧な論理的解決を求めていた人にとっては、この「感情優先」の構成は最後まで肌に合わなかった可能性があります。

芸能界のリアルよりもハッピーエンドが見たかった「アイドル応援層」

「最後はみんな笑顔でドームに立つ」そんな王道のアイドル漫画を期待していた読者にとって、この物語の結末はあまりに重いものでした。

中盤以降、ルビーやB小町が直面したのは「キラキラした成功」ではなく、「汚れた大人たちとの取引」や「ネットの悪意」でした。

  • 期待:努力と友情で夢を叶えるサクセスストーリー。
  • 現実:復讐のためにアイドル活動すら利用する冷徹な展開。

特に最終回に向けての展開は、「推しの幸せ」を願うファンにとって、カタルシス(救い)よりもトラウマを残す形になった側面は否定できません。

オカルト要素(カラスの少女)の介入に対する「原作初期ファン層」の困惑

初期の「リアルな業界モノ」を支持していた層にとって、終盤で加速したオカルト要素は賛否両論の的となりました。完結した現在、この要素が物語にどう影響したかを比較します。

評価ポイント初期(リアル路線)完結後(オカルト路線)
問題解決の鍵演技力、交渉術、嘘前世の因縁、神の導き
物語のジャンル芸能界サスペンス転生ファンタジー
読者の納得感「業界の裏側を知れた」「結局ファンタジーか…」
カラスの少女の役割不気味な傍観者物語を強制的に進める装置
「嘘」の扱い身を守る鎧魔法のような奇跡

「神様(カラスの少女)が全部説明しちゃうの?」という興醒め感は、最後まで拭えなかったという意見も多く見られます。しかし、このファンタジー要素があったからこそ描けた「救い」があったのも事実です。

完結した今だから分かる!「推しの子」の正しい評価と最終回の是非

完結を迎えた『【推しの子】』をどう評価すべきか?結論として、この作品は「ミステリー漫画」として読むと不完全燃焼になりますが、「芸能界という地獄で足掻く人間たちのドキュメンタリー」として読めば傑作となります。最終回の賛否が分かれているのも、読者が作品に何を求めていたかの違いが浮き彫りになった結果です。今から全巻読む人は、以下の3つの視点を持って挑むことを強くおすすめします。

評価

整合性より感情!キャラの「バグ」を楽しむドキュメンタリー視点

完結まで読み通すと、アクアやルビーの行動には数多くの論理的矛盾(ブレ)があることに気づきます。

しかし、それは「脚本のミス」ではなく、「極限状態に置かれた人間のリアルな混乱」として描かれています。

  • 復讐したいのに、幸せになりたい。
  • 愛したいのに、憎みたい。

最終回で見せた彼らの選択も、論理的に正しい正解ではなく、「感情が選んでしまった答え」でした。物語の整合性よりも、キャラの感情の爆発を楽しむ読み方が、この作品の正解です。

横槍メンゴの作画による「伏線アート」の完成形

物語が完結したことで、作画の横槍メンゴ先生が仕込んでいた「絵の伏線」が全て意味を持っていたことが判明しました。

一気読みする際は、ぜひ以下に注目してください。

  • 瞳の星の変化:最終盤に向けた星の輝きと、その消失の意味。
  • 背景の花言葉:最終回のラストシーンに描かれた花の意味を知ると、結末の解釈が180度変わります。
  • 表紙の構図:単行本の表紙絵が、実はキャラクターの末路を示唆していたという発見。

「つまらない」と読み飛ばしていた中盤のシーンにも、実は結末に繋がる重大なヒントが描かれていたことに気づくはずです。

最終回は「バッドエンド」か「ハッピーエンド」か?

ネット上では、最終回に対して「納得できない」「最高だった」と意見が真っ二つに割れています。

ネタバレを避けて表現するなら、この結末は「芸能界というシステムに対する、痛烈な皮肉と愛」で終わりました。

  • サスペンス派には:犯人への罰の与え方に賛否あり。
  • アイドル派には:B小町の未来に希望と不安が残る。

しかし、これこそが『【推しの子】』が一貫して描いてきた「嘘と真実」のテーマそのものです。綺麗な大団円で終わらなかったこと自体が、この作品の誠実さだったと言えるかもしれません。

まとめ:一気読み推奨!「中だるみ」も結末のための布石だった

連載中は長く感じた「中だるみ」期間も、完結後に通して読むと「キャラクターたちが苦悩し、選択をするために必要な助走期間」だったことが分かります。

「つまらなくなった」という評判で止まってしまっているのなら、あまりに勿体ない。賛否両論の嵐を巻き起こした衝撃のラストまで、ぜひあなた自身の目で目撃してください。

読み終えた後、あなたはきっと誰かと「あの結末、どう思った?」と語り合いたくなるはずです。